林田版歌唱王2024にて審査員をさせていただきました🎤
- 謙吾 福嶋
- 2024年12月20日
- 読了時間: 12分

皆様、おはこんばちは!!!
Liberty Vocal Trainingの福嶋です。
普段は関西を中心にボーカルトレーニングおよびオンライントレーニングを実施しております。
実は、令和6年12月6日(金)に熊本にて開催された「林田版歌唱王2024」にて審査員をさせていただきました!
今回は、その件について、以下のような内容を記事にしてみたいと思います。
・林田版歌唱王とは??
・審査結果と感想
・最後に
この記事を読むことで、
大会の審査員がどのような判断基準を持って、順位づけを行なっているか?
ということのが分かり、皆様の歌唱練習の参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

林田版歌唱王2024とは?
まずは、この大会の概要について、ご説明したいと思います。
最初に「林田」とは?という疑問がまず浮かぶと思いますので、ご説明させていただきます。
■「林田」とは?
この「林田」というのは、大会が開催されたお店の名前が由来となっています。

「林田」さんは、
・カラオケ
・麻雀
・カフェ
を併設している、お店です。
★「林田」さんHPリンク
★住所
〒860-0862熊本市中央区黒髪2丁目33-2
そのため、美味しいご飯を食べながら、カラオケや麻雀をするもよしと、特に近くにある熊本大学の学生にとって、憩いの場となっています。
また、オーナーの林田さんは、とても優しく気さくに話かけてくださる方なので、初めてお店にお伺いした方も、オーナーのお人柄に惚れ込んで常連さんになる方も多いです。
毎月、カラオケの採点を活用したイベントを行なっていたり、今回のようなカラオケ大会を開催されたり、さらにはお店に来られるお客様を中心に歌ってみた動画を撮影し、YouTubeに掲載していただくことも可能など、このお店について、いいところを語り出したらキリがありません。
★YouTubeチャンネルリンク(「歌ってみたスター誕生【歌うま素人チャンネル】」)
↑実は私も歌ってみた動画で出演させていただいています笑
ぜひ、皆様も熊本に行かれた際は、「林田」さんへ行ってみてください!! 後悔はしないと思います!
■林田版歌唱王2024概要について
では、いよいよ本題の大会概要について、ご説明したいと思います。
今回の大会は以下のような流れで進められました。
◎大会の流れ
①予選(15名)
②決勝(6名)
◎用意された賞
・1~5位
・審査員特別賞(6位)
・林田賞(オーナーの中で一番印象に残った方)
・オーディエンス賞(予選敗退の方の中で参加者にとって一番印象に残った方・投票制)
予選・決勝ともフルコーラスでの歌唱。決勝では予選と楽曲を変更しても良いというルールで実施されました。
私は、予選では皆様にアドバイスシートを書かせていただきました。
決勝では、1名ずつ歌唱が終わるごとに、コメントにてその場でアドバイスをさせていただきました。
フルコーラスで歌唱することができる大会は、なかなかありませんので、カラオケ大会の中でも貴重ですね。
また、人数が15名と大会の規模としては、小さいものであったため、アットホームな温かい雰囲気の中、出場者の方それぞれに対して、より深く向き合うことができた大会でした。

審査結果と感想について
続いて今回の大会における、審査結果とそう判断した根拠。また私なりの感想を記載させていただきます。
■審査結果
今回の審査結果は以下の通りとなりました。
掲載は3位までとさせていただきます。
()内は決勝で歌唱された楽曲です。
優勝 :とらいさん(Happy Birthday to you/MIHIRO〜マイロ〜)
準優勝:いねさん(ノンフィクション/平井賢)
3位 :だいちさん(カーテンコール/優里)
では以下に審査の根拠を予選から順番に述べさせていただきます。
■審査基準
まず、今回私が審査をするにあたりどのような基準で審査をさせていただいたか?をご説明させていただきます。
私は「聞き心地」と「聞き応え」の2つの軸を基に審査させていただきました。
◎聞き心地
歌唱の中に違和感が残さず、聞き心地を確保できているか?
例)音高ミス、リズムミス、圧の違和感 など
◎聞き応え
歌唱の中で、どのくらい魅力を聞き手に届けることができているか?
例)音色の良さ、圧を強くかけることによる説得力 など
重要な点が1点あります。
それは「人は魅力よりも違和感の方が印象に残りやすい」ということです。
例えば、皆様が某寿司店に行って、値段もおいしさも満足のお寿司を食べていたとします。
その時、お寿司に髪の毛が入っていた場合、お店を出る際の皆様の印象はどうでしょうか?
おそらく多くの方々が「髪の毛入ってたから最悪だなー」というようなマイナス印象を抱いてしまうと思います。
よくよく考えてみると髪の毛1本って、違和感としては本当に些細なものではないですか?
味が美味しくないことや、値段が見合ってないことの方がよっぽど違和感ですよね?
にも関わらず、最後にはマイナス印象の方が大きく残ってしまうのです。
実は、これは歌も同じです。
どれだけその人の歌唱に魅力があったとしても、音高ミスやリズムミスのような違和感があると、どうしても聞き手の印象としては、その違和感の方が印象として残ってしまうのです。
ですので、「聞き心地の上にしか聞き応えは存在しない」ということをぜひ覚えておいてください!!
これを念頭において、今回の林田版歌唱王2024の審査について、振り返ってみたいと思います。
◎予選
まずは、予選についてです。予選では15名の皆様の個性溢れる素敵な歌唱を聞かせていただきました。
その中で本来は5名の方が決勝に進出していただくという予定でしたが、接戦であったため、6名の方に決勝に進出していただきました。
その中で、決勝に進めた方と進めなかった方の大きな違いは、
「聞き心地を損ねてしまう違和感の程度が大きいか小さいか?」
でした。
決勝に進むことができなかった方は、違和感の程度が大きく、聞き心地を大きく損ねてしまったことにより、本来お持ちの魅力を打ち消してしまっていました。
これは、非常に勿体無いことです。
具体的には、音高やリズムが大きくずれてしまうこと。音色がいい音で揃い切っていないこと。しゃくりなどにより音の繋ぎ方が途切れ途切れになってしまっているなどが挙げられます。
ですので、歌唱の練習としては、まず音高・リズムをはじめとして、歌唱の中の違和感を消すという作業をすることが大事だと思いました。
◎決勝
続いて、決勝に進まれた方々の審査についてです。
決勝に進まれた方々は、予選でもある程度聞き心地を確保しながら、ご自身の強み・魅力が何なのか?を理解してオリジナリティー溢れる歌唱ができている方々だったため、決勝での歌唱も非常に楽しみでした。
なんと、6名中5名が予選とは別の楽曲を歌唱されるということで、2曲もこんなすごい方々の歌唱をお聞きできたことは、一聴き手としても耳福な大会でした。
全員について、審査基準をお話ししたいのですが、とても長くなってしまいますので、上位3名についてのみコメントを記載させていただきます。
1位:とらいさん(Happy Birthday to you/MIHIRO〜マイロ〜)
優勝は、とらいさんでした。おめでとうございます!🎉
とらいさんは、R&Bが大好きなことが伝わってくる、おしゃれなフェイクやアレンジ、音遊びが豊富な歌唱でした。
R&Bが大好きな私としても、このような歌唱をカラオケ大会で聴くことができたのは、とても嬉しかったです。
優勝にした理由は、ミスが少なく聞き心地を確保していたことはもちろん。聞き手に最も感動や驚きを与えた歌唱だったからです。
予選時も倖田來未さんの「愛のうた」をものの見事にR&B色に歌い上げておられました。
フェイクやアレンジにより、おしゃれに仕上げるこの歌唱法は、人によって好き嫌いが分かれやすいと個人的には思っています。
そのため、他の方が審査員であれば、もしかしたら優勝ではなかったかもしれません。
しかし、技術的にかなり高度なことが求められる、R&Bの歌唱をこれだけミスなく歌唱できているという点は、私的にはかなり評価すべきだと感じました。
また、これはジャンルに関係なく、皆様にも心がけていただきたいことなのですが、
「聞き手に感動や驚きを与えて、ずっと聴いていたい。もっと聴きたい」
と思えるような歌唱をぜひ目指してください!
このレベルは、
「自分ではやっているつもりなんですけどあまり評価されません。」
という次元で練習をしていては、到底到達できないレベルです。
練習をしながら常に
「この表現で本当にどの聞き手でも感動するだろうか?」
2位:いねさん(ノンフィクション/平井堅)
2位は、いねさんでした。おめでとうございました!🥈
9月に私が審査させていただいた九州カラオケ音楽祭のビギナーズCUPでも優勝されていた方ですね。
いねさんも、楽曲の雰囲気。特に切ない、かっこいい雰囲気や感情を演出されるのが非常にお上手な方です。
それは、はっきりと誰が聴いても、もっと聴いていたい。ずっと聴いていたいと思えるレベルだと感じます。
もちろん、ミスも少なく、聴き心地を確保しているからこそ、この感想に至ったのだと思います。
では、なぜとらいさんと比較したときに、順位が落ちてしまったのか?
これに関しては、「聞き応えの差」でした!
とらいさんが、見せ場らしい見せ場がはっきりとわかるような構成。歌唱をされていたのに対して、いねさんは、歌唱の中に小さい見せ場をたくさん散りばめてはいるのですが、大きい見せ場を作って、インパクトを残すという点に関して、とらいさんには一歩及ばなかったと感じました。
その要因として、一番大きいのが「圧不足」だと感じました。
いねさんの歌唱は、全体を通して、マイクへの音入りが小さく、せっかくいい音色や表現をされているにも関わらず、十分に聞き手に魅力として伝わり切っていないことが、とても惜しいと感じました。
これには、いくつか要因があると思いますが、コメントでは大会ならではの注意すべき点をお伝えしました。
レコーディングやライブと異なり、カラオケ大会はリハーサルもなく、音響を事前に把握することが難しいです。
そのため、
・自分より前に歌う方の歌唱を聴いて、何となくの音量やエコー具合を把握すること
・最初のワンフレーズは、少しだけマイクを離して歌唱をし始めて、スピーカーから出る自分の歌唱を聴いて、マイクの距離をコントロールする
という2点を意識して、歌唱に臨まれると、いい歌唱が聞き手に届けやすくなります。
3位:だいちさん(カーテンコール/優里)
3位は、だいちさんでした!おめでとうございました!!🥉
だいちさんの歌唱は、何といっても「安定感」が抜群でした!
ピッチやリズムはもちろん。低音から高音まで深く暗い素敵な音色で統一して歌唱ができているというところから、歌唱技術の高さを感じることができました!
しかし、上位2人とどのようなところに差があり、3位という結果になってしまったのか?
それは、ズバリ「楽曲の雰囲気演出力」です!
だいちさんは、声質や歌唱法的には、柔らかく壮大な歌唱というところが得意そうな印象を受けました。
しかし、今回は予選も決勝もアップテンポのカッコいい楽曲を歌唱されていました。
では、何がかっこいいという印象にイマイチ繋がらず、柔らかいという印象を抱かせてしまったのか?
大きい要因としては、「アクセント部の発声の入り速度」です!
これだけ聴いても何のこと?と思われる方が多いと思いますので、詳しく説明させていただきます。
「発声の入り速度」とは、「マイクに入る声の速度」のことをさしています。
別の言葉だと「アタックの速さ」「音の差し込み度」とも言い換えることができます。
この入り速度をコントロールすることができるようになると、雰囲気を自在に操りやすくなります!
簡単にいうと、発声の入り速度が
・速い → かっこいい・勢いがある・説得力がある
・遅い → 優しい・柔らかい・しっとり
といった雰囲気になります。
今回のだいちさんの場合は、発声の入り速度が全体的に遅かったことにより、かっこいい・勢いがあるという雰囲気よりは、優しい・柔らかいという印象になってしまったと思います。
柔らかい雰囲気でカーテンコールを歌唱されることも、オリジナリティーがあると評価されてもいいのかもしれません。
しかし、原曲の雰囲気・メッセージ性というものも大切にされるべきだと私は考えております。
ですので、評価としては、雰囲気について一部減点をさせていただいた結果、このような結果となりました。

最後に
まずは、ここまで記事を読んでいただきありがとうございます!
この記事の内容が、皆様の歌唱力向上に少しでもお役に立てば、そんなに嬉しいことはありません。
今回の大会審査員は、大学時代から通わせていただいていた「林田」さんで行うことができ、嬉しさ及び懐かしさというところも感じることができました!
審査員をご依頼いただいていたオーナー(林田さん)とは、こうして今もご縁があり、感謝しかありません。
改めて、お礼申し上げます。ありがとうございます!
私が、トレーニングや審査員のお仕事。大会に出たり歌を歌っているのは、決してボーカルトレーナーや歌い手として活躍したいからという理由だけではありません。
では何のためなのか?
「歌仲間として、一緒に伴走しお互いに成長していきたいから」です!
これは、私個人としての意見ですが、
何事も1人で物事に取り組むことには限界があると思います。
だからこそ、一緒に伴走してくれる仲間が必要なんだと思います。
ときには苦しいこともあるでしょう。
しかし、そのような時こそ、お互いに刺激しあったり、励ましあったりすることで人はより大きく成長できると思うのです。
もし、あなたが歌を頑張りたいけど、1人だと限界を感じている。
一緒に頑張る歌仲間が欲しいけれど、周りにそんな人がいない。
もしそんな状態なのであれば、私があなたの歌仲間になります!
全国にいる歌仲間と出会い、一緒に頑張れる場を提供します!
お話しだけでも一度お聞かせください!
あなたと一緒に成長していけることを楽しみにしております!
【Liberty Vocal Training HPリンク】

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